ゴンニャク

林道から見たゴンニャク
林道から見たゴンニャク、手前は1078m峰

ゴンニャク 1095.3m 郡上市(旧大和町) 2005年10月16日   地形図「八幡

【登り:ゲート−35分−あじさいの館−25分−尾根の取付き−15分−境界尾根
                                   −50分−1040m峰−30分−山頂】

【下山:山頂−70分−林道出合−65分−ゲート】     地図はコチラ

《テーマ》

内ヶ谷を囲む山々を巡る。トチノキ洞・西川山出合、そしてゴンニャク。

《ゴンニャクについて》

93年に刊行された「続・ぎふ百山」でその名前を知り、その解説の中にあったネギ谷の由来を

読んでぜひ行きたいと思いつつも大栃ルート、三洞ルート、ワサ谷ルート、カサネルートとも

無理とあきらめていた。

メインルートの大栃ルートは一般道からのアプローチが長く、路面状況がわからないのでカロー

ラでは入る気にならなかったが、「点の記」の記載されている西峠から林道を行くルートならば

峠から登山口まで4.25Kmと短く、歩いても1時間くらいなのでこのルートに決めた。

しかし境界尾根に上がれるか、尾根の上のヤブはどれくらいか不安は尽きない。

出た所勝負で5分5分と言う所か。

《ネギ谷の由来について》

郡上の殿様が内ヶ谷に来た時に貧しい村人がネギの根を付けたまま食膳に乗せたところ殿様が

「ネギの尻を切れ」と言うと、村人は「禰宜の尻を切れ」と勘違いして禰宜を追いかけ、疲れた

禰宜は死んでしまった。その逃げ込んだ谷をネギ谷と言う。(続・ギフ百山より)

今回、読み返すまでは「ネギ(禰宜)の尾(命の緒)を切れ」と覚えていた。この方がリアルかな。

《西峠について》

洞戸に入ると標識に「大和町には抜けられません」とあた。通行止めは内ヶ谷だとは思うが念の

ため確認しようと地元物産の店が開いていたので店番をしていた2人の男の人に聞いてみた。

「この道は西峠までは行けますよね?」「西峠・・・」何と、西峠が通じなかった。

「美濃の峠」にはちゃんと記載されているのに・・・ 板取では通じるのだろうか。

(後述するが、板取森林組合の若者には西峠は通じた。)

《登山口へ》

 西峠  車止め
             西峠                              車止め

西峠では大和町側は通行止めになっていた。右折して地道の林道に入る。どうにか腹をすらずに

走れる。そんな道を1.35Km行くと分岐の手前にゲートがあった。ゲートの向う側には真新

しいワダチが付いていて、鍵はと見るとしっかり掛かっていた。後2.9Kmは歩く事にして、

ここを登山口とし、身支度をする。

《ネギ谷へ》

 西川山出合  御岳山
           西川山出合                            御岳

林道に入り15分で展望が開け、内ヶ谷を挟んで西川山出合が見え、御岳山が巾広に浮かんで

見える。983.9m峰を回り込むとあじさいの館がある。

あじさいの館 奇特な人が居て林床を手入れし、流れには丸木橋

 を架け、木々には名称を書いたカンバンを掛けた

 のか。そう言えば10年ほど前に「あじさいの

 館」の電話番号を番号案内で調べた事がある。

 「そういう施設は登録されていません」と言われ

 た。当然の事だがここには電話線はもとより、

 電灯線も来ていない。次の尾根を回り込むと

ネギ谷に着いたが流れは意外と少ない。

《山頂へ》ネギ谷横断 

左岸には支道が入っていてこれを行く。直ぐに右岸に渡り、

右手から谷が合流すると支道はまた左岸になる。また右から

谷が下りて来るとその先に尾根がある。

取り付ける所を探して進むと車が停めてある。そう言えば山

からチェーンソーのエンジン音が聞こえ、車には板取村森林

組合の名前が入っている。尾根を登って行くと若い人が枝打

ちの準備をしていた。境界尾根の状況を聞くと除伐採がして

あるとの事、但し途中からはヤブになると言う。エンジン音

を聞きながら15分で境界尾根に乗った。板取側は30年生

くらいの桧、大和町側は15年生くらいの桧。

すぐに板取側の植林が杉に替わると枝打ちした枝が重なり合い足を取られる。杉にはヒルが多い

いと聞くのでスッパツを着けた。とは言え、ヒルは歩き始めた頃、鈴鹿で見た事があるが美濃で

はお目にかかった事がない。基本的に立ち止まらない、座り込まない事が幸いしているのか。

板取側がまた桧に変わるとだんだんとヤブが出てくる。この辺りから赤布が散見される。

この赤布は山頂まであったが間隔が広く、かなりの手馴れの者と見た。それに木曽三川公社の

赤いクイと黄色い境界クイがあるがこれ等だけでは心細いので、私も目印を付けていく。

(帰宅後、回収したヒモも数えてみると25本使っていた。)

そして1040m峰の手前からシャクナゲのヤブが始まる。薄い踏み跡を拾いながらヤブを抜け

ると急に歩き易い尾根に出た。この尾根を快調にとばして行くが向きが南西になっている。

1078m峰

 確かに境界尾根は向きを変えるが、南西に下る

 箇所は無い。それにさっきまで目印にしていた

 1078m峰が見えない。急いで戻るとヤブを

 抜けた所で境界尾根は90°左に曲がっていた。

 ここから自然林の中の薄いヤブを行く。境界尾

 根は徐々に東に向きを変えネギ谷の鞍部に着い

 た。そこには南側に大きなヌタ場があった。

 山頂風景      1078m峰

北東に尾根を登るとヒョイと広場に出る。

30cmくらいのササの中に三角点はあった。

展望は全く無く二昔前の舟伏山の趣だ。

名前に魅せられ、何時かはと思い続けた山頂に

居れる幸せ、これに勝るものは無い。

700m先の大ゴンニャクも見てみたいが気力が

続かなかった。
                                               山頂風景

《下山》

往路を忠実に下った。1040m峰の北側のシャクナゲのヤブはこの山のハイライトだった。

植林の境を下っていくとエンジン音が後で聞こえるようになる、アーッ。尾根の下降点を通り過

ぎてしまったようだ。支尾根を下って行くと今朝の若い衆が下枝を切っていたので、あいさつを

する。すると「小ゴンニャクの方に下りられなかったのですか」と言われた。その時は「車が置

いてあるので」と答えたが・・・。ゲート前に車が置いてある事を彼は知っている。

と言うことは、もしかして1078m峰を小ゴンニャクというのだろうか。また、疑問が残るこ

とになった。



美濃一人山名録05ゴンニャク