乙洞 1000.0m 郡上市(旧和良村) 2005年9月10日 地形図「下呂」
【林道歩き1時間19分を経て尾根道17分】
《乙洞について》
標高は999.98m、地形図には1000.0mと記載
されている。こんなに切りの良い数字の場所
を見てみたい。
「美濃の山・第三巻」に記載されていて、東洞
からのルートと土京からのルートの二通り載っ
ているが、今回は「点の記」の記録を参考にし
て後者を選んだ。
《乙洞の林道》
土京川に沿って上土京に入る。昨日の大雨で飛騨川も増水していたが土京川もすごい。
送電線の下を目印に林道に入口に着いた。車は谷側のふくらみに置いたが、流れに
えぐられて流されないか心配している。
今日は林道からの取り付き地点を見極めなければ
ならないので地図には150m間隔で印をいれ、
林道のカーブなどで時間をプロットして行く事に
した。しかし実際の林道は地形図と大きく違
っていることがあり不安は尽きない。こんな時、
ナビがあれば・・・
否、山歩きはアナログで行こう。僕のナビは出来る限りの等速歩行と時計。
林道に入り、最初の折り返しを過ぎた所でサルの群れに出合った。こちらは小勢と見て明らかに
威嚇している。笛を取り出し大きく吹くと林道を横切り何匹も山にあがって行った。
26分で車止めがあるがここまで車で来られたらたいしたものだ。車止めを過ぎ二つ目の折り返
しを過ぎると展望が開けるがあいにくとガスっていてはっきりしない。
ここからは林道は完全に崩壊していて道は抜け、ガケは崩れている。林道歩きでも絶対に車が来
ないのならあまり苦にもならないし、結構変化が有って面白い。
66分が経過して尾根の取り付きに近づいたときに鹿の親子連れが目の前に現れた。
親は2・3秒こちらを見、警戒音を一声発してカーブの向うへ消えて行った。
それに気を取られ現在地が分からなくなってしまった。沢が2本下りてきている所があり、まず
間違いないと思いつつ、念のため先に進む。尾根を回り込み、林道の向きが北方向になった地点
で現在地を確認し地形を確認しながら戻るとやはり先ほどの沢の所だった。
《尾根の取り付き》
沢は北と北西に向いて2本あり、北向きの方は傾斜がきつそ
うなので北西の沢に入る。こちらの沢は林道からでも尾根の
上部が見える。しかし尾根に上がるのは大変。昨日の雨の為
に斜面はすべる。しかたなく右手の小さい沢に入り、尾根に
上がれた。尾根のヤブは薄くて歩きやすい、と見ると左手の
尾根にビニルテープが巻いてある。これが東洞からの合流点
なのだろう。
尾根は円弧を書くようになっていて三角点に着いた。
《山頂》
山頂丘一帯は二次林で気持ちが良い。また丸い尾根もめずらしく、その辺りの疎林は見飽き
ない。山名標の破片が落ちていてそれには「乙」の文字が見えたが、対空標識の残骸には
□会・津の文字が見え、何何桧津と書いてあったのか。山名ならば知りたいものだ。
下山はガスも取れ、林道からは八尾山の稜線を望む事が出来た。
《自宅にて》
「美濃の山」を読むと、最高点があると書いてあるので地図で確認すると北東200m位に
あるようだ。林道か北に向きを変えた辺りから北を見たとき、ガスの中に浮かんだ木立が
あったが、それが最高点のようだ。
今回は登頂を優先させ林道から登ったが、やはり東洞から登るのが本道のような気がする。
林道からならば読図力も要らず、山頂に立ててしまう。まだ美濃にはたくさんの山が残って
いるがもう一度行く事があれば必ず東洞から入山しよう。