黒田峠付近から望むトチノキ洞
トチノキ洞(点名・千谷) 1081.9m 郡上市(旧大和町) 2005年8月28日
《トチノキ洞について》
初見は酒井先生の「飛騨の山 美濃の山」だが、この本はガイドブックではなく、エッセイ集と
と言った感じの本なのでルートが特定できなかったが、今年上梓された富永氏の「奥美濃と
その周辺の山 130山」の記述で取付きが分かったので行ってみた。
《内ヶ谷へ》
6時15分に家を出て、快調に八幡町の交差点を通過。しかし、いつまで経っても「板取へ」の
標識が出て来ない。気が付くと剣まで来ていた。引き返して道を探すと、それは大和インターの
入口だった。県道52号線の入口にはカンバンがあって、「13Km先で通行止め」と書いてあ
るが、13Km先なら内ヶ谷川の向う側になるので安心して黒田峠のトンネルを抜けた。
10年以上前に、バイクで板取村から大和町に抜けた事があるが、その時の記憶にある景色とは
かなり違っているように思う。
《開拓地へ》
内ヶ谷川を渡る橋の手前から林道に入るが、橋の位置と道の形が地形図とかなり違っている。
しかし、道沿いには中電の柱があるので間違いないと思いつつ、不安もある。
地形図で距離を測ると5kmくらい。地道の林道を2kmぐらい入ったが、こんな道を
あと3kmも走るのはカローラでは無理と思い引き返す。
橋の所に戻り、地形図を確認すると50,000分の1「八幡」ではなくて、25,000分の1「門原」を
見ていた。と言うことは目的地まで2.5kmなので、あと少しだったのだ。
《出合橋》
橋の上から谷川をのぞくと、さびた橋が見える。
道が新しくなり、橋も付け替えたのだろう。
やはりあの林道は間違いなく開拓地に向かって
いたのだ。道も分かり、距離も分かったが、
もう一度行く気にならない。
《千谷へ》
富永氏の本の中に山頂から東西に切開きがあると
書いてあったのを思い出して、
千谷の林道が左岸に渡る辺りから取り付けるかも
しれないと考え出合橋を渡り千谷に入る。
入るとすぐに廃道になっていると分かるほど草が
のびている。どうにか橋の所まで来たが、
当然、橋はない。渡渉しようと探してみるが良い
所がないので、エイと飛び越えたがヒザにかなり
の衝撃をうけた。釣り師の踏み跡を行くがそれも
谷に下ったのか、消えてしまいあとはススキの原
を分けて歩くが断念。結局、尾根の先端に取り付ける所はなかったし、また木々もかなりの
年月、枝打ちがされてないようだ。引き返したが千谷を右岸に越えなければならない。今回は
おとなしく靴をぬいで渡ることにした。ここで45分のロスをしてしまった。
《再度、開拓地へ》
車にもどって、考える。このまま西川山へ行くか、でも100kmも走ってもったいない。
やはり林道に入った。2.6kmの所にログハウスが2棟あり、その敷地でお兄さんが
重機で土をならしていたので、ことわって垣根の外に車を置かせてもらう。
ここには廃道になった林道の橋脚だけが残っていて、谷が入って来ている。
出合橋の所もひどかったが、ここはもっとスゴイ。アブの大群がドア−を開けるたびに
4・5匹入ってくる。追い出すよりも入ってくるほうが多い。
《トチノキ洞へ》
【車−5分−渡渉−30分−林道出合−25分−分岐−20分−山頂】
さすがに本流だけあって水量はかなりある。ヒザまでつかり渡渉するが、その冷たさは
ハンパじゃない。岸に上がって靴をはき、沢の左
岸に踏み跡を探すとはっきりとした道が植林の中
に続いている。それも薄くなるが適当に登って行
くと東海自然歩道並みの道が出てくる。
最初はそういう感じの道が交錯しているが、尾根
に上がり、高みを目指すと迷うことの無い1本道
が続いている。とにかく内ヶ谷の山奥に遊歩道並
みの道があるのに驚き、そして30分後に出合う
林道以外に人工物がない事にまた驚く。ただ山仕事の目印か時々ビニールひもが木の幹に巻いて
あるが気にならない。
林道を横切り25分で分岐に着く。北尾根からは北方向から東の展望が時々開け、次の目的地の
西川山も見える。また朽ちた大木の株があったり、一つの株 山頂には一度登り返してあと、あっけなく着いた。南方向の
展望がありそうだが葉っぱがあって良く見えない。
また、東西の切開きはヤブが茂っていて手入れはされていな
いようだ。
三角点の標石は最高点になく、最高点には別の標石
が埋まっていた。何の為か。
航空測量しても標石がヒノキの40年生くらいの大
木の根元にあったら観測できないからか。
下山はルンルンで1時間。最後の渡渉は冷たくて目がさめた。
《後記》
内ヶ谷川は開拓地より上流の流域面積が広い為か、水量が多いい。3日前の台風ではこの地域も
あまり降水量はなかったと思うが、かなりの流れがあった。でも、今日は運が良かった。
また、新しい地図で確認すると出合橋は付け替わっていた。