男だる山

中津川市落合から望む男だる山
中津川市落合から望む男だる山―2006.02―

男だる山 1342.4m 中津川市 2006年9月24日 地形図「妻籠

【登り:柳樽林道入口-25分-植林小屋-25分-フェンスの入口-35分-植林の最上部
             -5分-馬籠峠ルートの合流点-20分-境界尾根の曲り角-30分-山頂】

【下り:山頂-35分-植林の最上部-20分-フェンスの扉-25分-植林小屋-30分-P】

《男だる山について》
ルート地図

私の持っている数値地図では漢字で表記されているが、閲覧地図では「男だる山」と仮名で表記されている。


国地院もお役所なので常用漢字以外は使用しないと言うことなのだろうか。

ルートとしては馬籠峠からが一般的なようだが、「ノンキ君」のページを参考にさせてもらい細野から入山して、「ノンキ君」の歩かれた南西尾根ルートを検証しようと思う。

(そう思って入山したが南西尾根を大きくはずれてしまった。)





【細野から柳樽林道へ】


クアリゾート湯舟沢を通り過ぎ、少し行くと清水のバス停付近に「細野薬師堂」の案内板がある。それに導かれて細野の集落に入る。「細野薬師堂」の入口を過ぎ、池ヶ谷林道の分岐を通過するとすぐに柳樽(ヤンダル)林道の入口がある。少し先に広場があるが私有地のようなので、道路脇に駐車した。

柳樽林道入口 新しいゲート 林道から望む男だる山
    
 柳樽林道入口               新しいゲート            男だる山

身支度をして柳樽林道に入る。旧ゲートは使われていなくて、新ゲートは施錠されている。この辺りから山頂が望め、また新しい植林が以前の県境尾根(と思われる)の下部に広がっているのが見える。

林道が2回折り返す所に植林小屋があり、中の畳はまだ新しく見えた。「ノンキ君」はここから200mほど先の作業道から尾根に取付いたようだが、私はこの小屋の右手の作業道が気に入ったのでこれを行く事にした。

 県境尾根下部の植林  植林小屋
       県境尾根下部の植林                       植林小屋

【若い植林から県境尾根へ】

作業道はだんだん谷川に近くなり、前方に山が抜けた斜面が見える。ここからは30年生位の植林の中にピンクと青のテープが続いている。このテープは2回分岐するが、最初の分岐は当然右へ、2回目の分岐の左側は沢を越えているので右の斜面を登る方にした。

岩がゴロゴロした二次林を行くと鹿の食害防止のフェンスがあり、扉を見つけてフェンスをくぐると眼前に若い植林が広がっている。

作業道 若い植林 南西尾根
       作業道               若い植林               南西尾根

そして右方向を見ると山頂から南西に延びる尾根がかなり遠くに見える。本当ならあの尾根に乗らなければならないのに・・・

しばらく考え込んでしまった。「もしこの植林の上部が県境尾根(旧)ならば何とかなるかも。」ということで植林の西側のフェンスに沿って登って行った。

恵那山を望む 細野の集落からは雲に隠れて見えなかった恵那山も顔を出し、中央自
 動車道を走る車が米粒くらいに見え中津川の町も見える。

    植林最高点植林最高点

植林の最上部に着き、フェンスの隅を越えてヤブに入った。(フェンスには手をかけていません)

【ササヤブの中を山頂へ】

ここから5分で馬籠峠からのルートと出合った。県境が90度に曲がる所まで20分、急斜面のヤブの中でもがいた。加子母の三国山のヤブはササの上に体が浮いてしまい進めなかったが、ここは足が地面につくだけでもいいほうか。

カーブしてからはわりと平坦ではあるが、ヤブはきつい。30分、もう飽きるくらいヤブを漕いでいるとコブが見え、狭い切開きの山頂に出た。

【山頂にて】
三角点

切開きは3m四方あるようだがササが伸びていてえらく狭い。ナタでササを刈っていると北に見慣れた岩肌の山が見える。南木曽岳だ。

そう言えば、男だる山の尾根の向こうには「蘭」(アララギ)と言う名の村がある。藤村の歌集に「貧しさに ササ竹の子も 食いにけり・・・」(下の句は忘れてしまった)という歌があり、アララギと言う優雅な語感と生活の厳しさを歌った内容との差に違和感を感じた事があった。
もう30年も前の話だ。


【下山】

また、ヤブの中に入るかと思うと気が重くなるが、そうしないと帰れない。帰路は南西尾根を下る事も考えて、馬籠峠ルートとの合流点から県境が曲がる所まではテープを付けなかった。その上、その間は残置された目印も少なく幾度も心細い思いをしたがどうにか植林にたどり着けた。

この植林の最上部には赤布があり、このルートも人が入っているようだ。この植林帯を地図上で表示できるように地形を見ると2本の谷が収束する所から上部にあるように思われる。

往路の2回目のテープの分岐は左方向に向かうものも右のコースと合流するようだ。車に着いた時に恵那山は雲の中にあった。

【注意点】

当然、地図・コンパス・テープ類は必携。
植林は若く、樹高も低く食害を受けやすいので、フェンスの扉は確実に閉め、不用意にフェンスを越えてはならない。
私たち無用の者は入らないほうが良いに決まったいるのだから山村の人たちに嫌われないようにしたいものだ。


美濃一人山名録06 男だる山