絶高

京塚山から望む絶高
京塚山から望む絶高  2004.12.12

絶高 959.8m 郡上市八幡地区 2006年12月10日 地形図「下呂

                                    周辺地図・ルート概要はコチラ

【登り】P8:55−廃道の林道9:10−谷に下りる9:40−林道が谷を渡る所10:10
                      −尾根に取付く10:30−北尾根出合10:55−山頂11:10

【下り】山頂11:40−林道出合12:10−現用林道13:10−P13:25

《絶高について》

酒井昭市著「飛騨の山 美濃の山」を久しぶりに読み返していると50ページに「ぼんてん」という文が収録されていて、その中に絶高という山が記載されている。

点の記を見てみると所在地の欄に「俗称 絶高」と記入されている。酒井先生は「小駄良川から鳩畑谷をつめ、ブッシュに悩まされえながら」、登られている。

地形図を眺めてみると山頂から北東に延びる尾根は北側が植林、南側は広葉樹林でその境には作業道があるかもしれない。
その上、吉田川左岸の京塚山・大洞・市島・トノ洞の辺りはヤブは濃くなく、特に京塚山の北尾根は疎林で気持ち良く歩けたのを考えるとこのルートで登れるように思えるが、やはり先生の歩かれた鳩畑林道から入山する事にした。

ただ鳩畑谷をつめるのは自信がないので、鳩畑谷を越えて南に下り、適当な所から南尾根に上がろうと考えた。南尾根は東が広葉樹林、西が植林なので尾根上には作業道があるように思われる。

《林道鳩畑線・駐車地点まで》

 鳩畑橋  中江産業
             鳩畑橋                                  中江産業

国道156号から郡上八幡トンネルを通り県道319号を北上して河鹿へ。鳩畑で右折し、小駄良川を渡る。点の記にある中江産業から先は地道になるがカローラでも楽に通行できる。

所が1Kmも行かない所で落石があり、南へ入る林道の分岐の広場に車を置いた。

身支度をしていると軽トラが二台来た。散弾銃を持っているし、犬は辺りを走るし。気を取り直して絶高の事を聞いてみると、
  村人 : 大日とか毘沙門なら知ってるけど・・・
  私 : 有穂の辺りから見える山なんですが
  村人 : 知らんな・・、そう言えば高い山があるな
山名どころか山自体を知らないようだ。

私、東を指差し「この尾根の上には道は有りますか?」と聞くと「あるよ」との答え、ヤッター。

「今から川沿いの林道を歩きますから撃たないで下さいね」とお願いすると、彼らは南の林道を上がっていった。林道を歩き出すと銃声が聞こえた。

《林道鳩畑線から尾根の取付き》

地図にない支道が2・3本あり、現在地がよく分からない。でも林道は続いているし、尾根の上には道があると言うし、これは楽勝で行けると気楽に歩いていると、林道が左岸から右岸に渡り、廃道の林道が右に分岐すると、本道も廃道になっていた。

昨日の雨で濡れた冬枯れの草むらの中を歩くうちはまだよかった。廃道の林道が折り返す辺りからは潅木が茂りその中にトンネルが出来ている。

 潅木のトンネル  谷
          潅木のトンネル                                      谷

2ヶ所目の折り返しを見上げると潅木のトンネルも見えず、木々の高さは5mを越えるものもある。
心細さもあり、ついつい歩きやすそうな谷に下りてしまった。角のある岩なので足元さえ気遣えば割りと歩きやすい。

谷に下りて13分で両岸に林道が見え、更に5分で高巻く箇所があり、ついでに林道に上がった。そこからは初めて山頂が見える。
林道から絶高を望む
林道は谷を渡るがこの谷は向きが違う。
又すぐに谷を横切るがこれが山頂の西の鞍部に出る谷だった。
右岸に踏み跡らしく見える所があるが、最初の予定どうり林道を南へ行く。

林道は茅に埋もれ、その中に人かイノシシのつけた踏み跡が続いている。
林道が大きく左に曲がる所に着く。見上げると予想した通りに40年生くらいの手入れされた植林が見える。

この尾根に取付くことにしよう。

《山頂へ》

尾根の上は道があるように見えるが全くない箇所もあり、適当に登って行く。廃道の林道を歩くより遥かに楽。

中江産業のコンクリート製の標識30分で主稜に出合った。この尾根上には中江産業のコンクリート製の境界標識が続いていた。

気が付くといつの間にか赤いテープが付いている。このテープの主は吉田川方面から上って来たのかと思い、帰路気を付けて下降点を探したが見つけられなかった。

だらだら続く道を少し登ると山頂に到着。






《山頂にて》

山頂風景 北東尾根 北西尾根
     山頂風景                 北東尾根               北西尾根

東側斜面は気持ちの良さそうな疎林が続いている。これならば何所からでも上がってこれそうだ。
北西の尾根には明確な道があり、最初に考えた北東尾根も疎林が続いていて歩けそうに見える。

市島・京塚・大洞辺りが見えているはずだが木々にさえぎられて同定出来ない。

《下山》

山頂のすぐ南の尾根状の所には踏み跡が有ったが、未知の谷へ下りるのは気が進まない。また、南尾根を往路の合流点より更に進んで林道に下り、林道を時計周りで周回しようとも思ったが林道の状況が分からないので、これも却下。
往路を戻る事した。でも、谷に下りずに林道を歩くと、谷沿いの林道は山腹を巻く林道とは合流せずに少し斜面登って、山腹を巻く林道に出合うようになっていた。

また往路で見上げて、あきらめたヤブはわずかに5mくらいの間だった。状況が分かっているだけに安心してヤブを抜け現役の林道に着いた。

車に戻り着替えをしていると、また軽トラが二台通り過ぎた。なんと落石をどかして通って行ってしまった。

《自宅にて》

点の記のルートをよく見てみると、林道が2つの谷を渡るその間の尾根を示しているようにも見える。
とすれば、やはり2つ目の谷の左にあった踏み跡から尾根に付き山頂の北西の尾根に乗るような踏み跡が有ったのかもしれない。

あーあー、えらく遠回りをしてしまったようだ。



美濃一人山名録06絶高