ツルベ岳

越卒より望むツルベ岳
越卒より望むツルベ岳

ツルベ岳 1032.3m 本巣市根尾地区 2007年5月3日 地形図「谷汲

ルート地図【登り】P7:50−道に出合8:00−338m8:10
   −分岐8:25−529m8:55−658m9:40
         −尾根の分岐点10:30−山頂11:30

【下り】山頂12:10−P14:30

《ツルベ岳について》

「奥美濃 ヤブ山登山のすすめ」の雷倉の項の地図に山名のみが記入されている。

WEBでは「よっこら山歩き」さんのページに大井谷遡行の帰路、尾根道を下山され、道が有ったとの記録が有る。

これを参考にさせて頂き、行ってみる事にした。

《大井集落にて》

農作業をしていたおばさんにまずは「お宮さんは何所にありますか」と聞いてみると来過ぎていると言う。

私が「この尾根に上がって、ツルベ岳に行きたいのですが」と言うとすぐ目の前の家の方を指差し「この裏から上がれるよ」。

「それとあの尾根の先からも道がある」と言われる。
「車は置けますか」と聞くと「広場がある」との事。

路肩のふくらみの舗装のしてない場所に車を置き、とりあえず祠に挨拶をして後を探すが踏み跡は無い。

《大井と八谷を結ぶ道》

身支度をして祠の後から朝露に濡れた杉林の中を上がって行くと、道路から見えた2つ目の祠を見失ってしまった。左手にピンクのテープがあり、その辺りを探してみるが踏み跡らしいものは見付けられない。

「竹ヤブがあって・・何とか」と言われたようだったので杉林から右手の竹ヤブに入ってみるがだめ。もう一度ピンクのテープの辺りを探してみると薄い踏み跡があった。それに導かれ登って行くと道に出合った。
確かな道。

しばらくしてこれが八谷へ向かう古道だと気が付いた。
第一候補は神社の辺りで尾根に上がる踏み跡を探し、だめだったらこの古道の峠から歩こうと考えていたのでまさにビンゴー!!。

車道沿いの祠 大井と八谷をつなぐ古道
車道沿いの祠 大井と八谷をつなぐ古道

峠の手前から尾根に上がるようテープの目印が付いていた。ただこのピンクのテープは巾広の山仕事で使う物だ。もしこれをただの登山者が使ったのだとしたらと思うと非常に残念な気持ちになった。

《尾根道をツルベ岳へ》

50年は経っていそうな桧の林の中に3つ目の祠があった。これはコンクリート製の立派な物だ。

少し行くと雑木林があり、何とシャクナゲが出て来た。標高350mでシャクナゲに出会えるとは驚いた。ヤブっぽい所を抜けると小さな鞍部に出た。両側に下る道が2本と右にトラバースしている道、私は尾根を登った。

左は二次林、右は桧の植林が続いている。ピンクのテープは蛍光色で目立ち、藪椿の赤と競い合っている。

藪椿 ピンクのテープ
藪椿 ピンクのテープ

植林が終わり、台地状の所(標高点529m)に来ると踏み跡を探さずコンパスで歩いた。でもピンクのテープに沿った方が歩き易いのは間違いない。

細い尾根を通過するとまた右に植林が出て来たがすぐに終わった。帰路で確認したが幅広のピンクのテープはこの植林の最後で終わっていた。やはり山仕事の為の目印だったようで安心した。

代わりに標高点529mの辺りからビニールテープが付けてある。迷い易そうな支尾根を合わせると次の鞍部から左側に植林が出てくる。良く手入れされた50年物だ。

標高点658mから小さい鞍部を通過すると岩の多い斜面が始まる。そこでは山野草が次々と現れる。
ネコノメソウ・ヤマエンゴウグサ・イチリンソウ・ハルトラノオ・ヒトリシズカ・カタクリ・ハルリンドウ、それに
スミレ類。
振り返ると能郷白山が見える。

少しヤブになり抜けると4m位の巾でヤブが切開かれている。この切開きは大井谷から上がって来ているのだろう。もしこの切開きがなかったらかなりのヤブのようだ。

切開き(山頂方向) 切開き(大井谷方向)
切開き(山頂方向) 切開き(大井谷方向)

ビニールテープ氏は切り開かれる以前の登山者とみえる。切られた枝にテープが付いているし、潅木のヤブの中テープが残っている。

切開きが無かったら迷ってしまいそうな870mの尾根の分岐点も難なくクリア。100mも行くとこのコース最大の急斜面になる。ここは疎林の中に踏み跡(?土壌が見えるが水路か)が続いている。

そして特徴の無い台地状の所をコンパスを片手に通過するとササヤブが待っていた。薄いながらも尾根の南側に踏み跡が続いている。しかし、一ヶ所踏み跡を外し尾根に上がってしまうとすごいヤブだった。と、突然切開きに出た。さっきの切開きより遥かに雑な刈り方をしているが、とにかく前進、すぐに三角点に到着。

《山頂にて》

この切開きは何所から何所へ続いているのかと地形図を見てみると、水鳥谷の支谷ヌクミ谷から登る林道終点から標高点951m付近を通ってここまで来て、更に根尾と藤橋を分ける稜線上の林道まで続いているのかも知れない。

三角点 山頂付近の切開きから見る南南東の960m峰
三角点 山頂付近の切開きから見る南南東の960m峰

標識には本巣市とあるので、地籍調査の為の物かも知れないがとにかく雑な刈り方だ。
ちなみに本巣市は2004年2月に合併成立してるので、それ以降の切開きと言う事になる。

この切開きを東に少し行くと展望が開け、魚金山から高尾山の稜線が見え、タンポは稜線上のコブ位にしか見えない。三角点から西の最高点付近からは尾根続きの境界線上のピークが見え、その右手に雷倉が木間越しに望まれる。

魚金山 タンポ
魚金山 タンポ

《下山》

今日はかなり落ち着いて地図上にプッロトしてるので、安心して下山できる。ただ下りは早く、時々計算が合わない事もあった。

350m付近の分岐は大井の集落に向かった。この道は絶対に神社の裏に出ると確信して進んで行くと、畑があり民家の庭先に出た。車道に出ると何と今朝道を聞いた人の家の前だった。

車道を戻ると祠の手前30m位の所に階段があり、杉林に入ると踏み跡が続いていてピンクのテープがあった。何の事は無い、おばさんが教えてくれた入口を間違えただけだった。

踏み跡の入口 車道から見える2つ目の祠
踏み跡の入口 車道から見える2つ目の祠

ただ、車道から見える2つ目の祠に通じる踏み跡は無かった。また八谷に通じる古道の基点は神社ではないようだ。山から下りてきてそれらしい道は横切らなかったのだから。

《その他の事共》

帰宅後、回収したテープを数えると40本、用意したのが16本が3組で48本。未使用が1本で、7本が未回収と言う事になった。きっと山頂手前で踏み跡を外し、尾根に上がった所に残してきてしまったのか。

前回(大洞)は2ヶ月ぶりの山だったのでいろいろミスを犯した。
1つは印刷した地図のスケールを確認しなかった為に現在地の確認が出来なかった。
2つ目は行程の時間を読み間違えて水の補給を失敗してしまた。

今回はほぼ予想した通りの山歩きが出来て満足。



美濃一人山名録07ツルベ岳