川原越と志津山
志津山 732.5m 海津市南濃地区 2008年1月19日 地形図「津島」
【時間】
P8:30−川原越10:00〜10:10−志津山10:30〜10:50−祖古谷11:20−90番鉄塔12:10
−P13:00
《志津山のコースについて》
登りは東海自然歩道を行くとして、どこを下るかを考えた。
国境の尾根を南下して志津南谷の林道を歩く事も考えたが少々遠い。
なら、点名祖古谷の北100mくらいから東に派生する尾根を歩けば送電線の巡視路に出合えそうに思えた。
または地形図にある志津北谷の分岐点に下る尾根も良さそうに見える。
いずれにしても里山なので道はあるだろうと思われた。
帰宅後に資料を整理していたら「岐阜の山旅 100コース」に後者の記録があり、前者は掲載地図から
はみ出しているが一部は細い破線で示されていた。
更に昭和60年修正の5万分の1の地形図「津島」には前者のコースが破線で表示されていて、また志津北谷の北の尾根上(寺山観音から560.5mの三角点のある尾根)にも破線があった。
5万分の1地形図「津島」 昭和60年修正
天気予報ばかり気にしていて、何所に行くかは前々日に決めたので下調べが不十分だったと反省した。
《東海自然歩道で川原越へ》
大垣から国道258号を穂積で右折して津屋のT字路に出る。少し迷って、ガソリンスタンドから50mほど北に車道を見つけた。覗いて見ると東海自然歩道の標識が見え、雇用促進住宅裏から林道に入る。
300mほど進むと広場(揖斐関ヶ原養老国定公園駐車場)があり車を置いた。少し先で林道から東海自然歩道に入るが見事に階段が続いている。
植林の間には照葉樹が目に付くが、そんな林も370m付近で橋を渡ると落葉樹が多くなる。そして、その付近で1人の方をすれ違った。
振り返ると濃尾平野が広がっている。膝をかばいながらようやく川原越に到着。
振り返れば濃尾平野 川原越
《志津山へ》
峠からはまた階段が続いているが、傾斜は緩くなった。三重県側の展望が開けると霊仙山が望まれ、
その内にコブが見えてきた。標識類もあり、高みを目指すと志津山・点名田辺1の標石があった。
風が冷たく、休憩する場所を探して反対側に下り、日だまりでお昼にした。
霊仙山遠景 志津山山頂
《点名祖古谷へ》
県境の遊歩道は標石の岐阜側に付けられているが、元の道は三重側にあり、明確な掘割状の道がある。なぜ、わざわざ遊歩道を作ったのだろう、などと考えていると三重県側に林道が上がって来た。
そして美濃津屋への小さな案内板があり、更に300mほど先にまた美濃津屋への標識。樹間から覗くと鉄塔が見えるし、これは間違いなく志津北谷・南谷間の尾根道の標識と確信した。
ならば少し先には点名祖古谷があるはずなので確認の為に進んでみると標石に出合った。
点名祖古谷 尾根道の表示板
《尾根道を下る》
要所要所には赤いビニールテープが巻いてあり迷う事はない。掘れ道は落ち葉や枯れ枝で埋まり、フカフカ。多少滑りやすいが、膝にはやさしい。430mの辺りで分岐と見えたが右に行く。
そして関電の標識(90番91番)があった。右の方がメインに見える。鉄塔番号は分からないけれど、イメージ的には左の方が「モアーベター」。段々送電線が近くに見え、90番鉄塔に着いた。
展望が開け、池田山の向こうには能郷白山、その右には越美国境の山並が続いているが、とても山名の同定は無理と知った。
関電の標識 池田山・能郷白山
送電線に沿って下って行くと89番鉄塔、川原越が望まれる。ここで右に折れ下り続ける。予想した出合は十二社神社だったが、着いたのは「長寿の里・南濃」の志津北谷をはさんだ裏手だった。
あとは県道の志津北谷橋を渡り、雇用促進住宅の敷地を通り、駐車場に戻った。
今日は久しぶりに不安を感じない山歩きだった。
《電子基準点・南濃》
この付近の三角点を調べていて、近くに菱形のマークがあるのに気が付いた。「何ジャ、コリャー」と凡例を見てみると電子基準点とある。「これはぜひ見てみたい」、点の記では海津市立城山小学校内にあると言う。
車を走らせると校門には御用の方は職員室に来いと書いてある。時節柄仕方ないので許可を受けよう職員室を探し校舎の周りを歩くが全て施錠されている。車は10台くらいとめてあるが無人なのか。
仕方なく校庭の隅から写真だけ撮って、近くで見るのはあきらめた。それにしてもデッカイので驚いた。
電子基準点・南濃
《鉄塔番号》
90番鉄塔は本体の表示で確認したので間違いないし、91番の位置も間違いない。ところが同じ尾根から続いているはずの92番への巡視路はなかったので、もしかすると冒頭に掲載したルート地図の92番は存在しないのかも知れない。でも境界尾根から見えた鉄塔は91番ではないと思うのだが・・・・
《余談で階段の数》
東海自然歩道の階段に使われている丸太は直径が13cmくらいで、この川原越では丸太を2本使った階段が8割、残り2割が1本使いと仮定し、標高差は500mくらいなので、階段の総数は約2136段。
傾斜が緩く階段のない所もあったのでだいたい2000段、これはすごい。
《東海自然歩道》
現在の川原越は志津北谷の左岸斜面につけられているが、不安定な斜面を削って作られていて保守しなければ数年で跡形もなくなりそうな個所もある。なのにどうしてそんなルートで遊歩道を開削したのか。
それと県境尾根の遊歩道も旧道を無視して、なぜ新規に開削したのか。疑問ばかり膨らんでしまう。
今年も年が明けると道路工事が増えてきた。もしかすると、これらは同じ根っこかもしれない。