天王山・臼越

葛屋から天王山  葛屋から臼越
葛屋から天王山                      葛屋から臼越

天王山 520m ・ 臼越(ウスゴイ・仮称) 550m 七宗町 2009年1月18日 地形図「金山

ルート地図

【時間】
浄水場 9:45 七宗林道出合 12:00
葛屋神社周辺 9:50〜10:00 国有林境界 12:10
林道出合 10:15 臼越 12:55〜13:05
神淵神社 10:30 林道出合 13:40
天王山 10:50〜11:20 浄水場 14:15

《本日の予定》

神淵出身の方のHPに葛屋神社の裏から神淵神社に登る道があると書いてあった。
ならば葛屋神社から神淵神社に行き、天王山に登る。天王山から天王洞を下って、七宗林道に出合い、少し上にある国有林の境界で臼越に登る。臼越からは南へ下り、尾根を通って葛屋に下ろうと考えた。
(臼越の山名は森林管理署の地図にあるが地元で確認できず、仮称とする)

《葛屋にて聞取り》

葛屋の集落に入ると河原でドンドヤキ(左義長)をやっていて、30人くらいが集まっている。余りの人の多さに圧倒され、その中に入る勇気が無い。少し行くと僕と同年代の方がみえたので話しを伺う。
まず、臼越の読みはウスゴイで絵図のとおり、山の名前ではなく林道の奥の平らな土地の名前との事。

葛屋神社の前でもう一人。やはり天王洞の手前にある平たい土地の事だという。あるいは葛屋川の奥の辺りの総称との事。山名については葛屋川左岸の山一帯を平曽(ひらそ)といい、臼越なる山は無いと言われた。また、昔は山越えをして岩井谷へ出作りに通ったそうだ。

「神社の裏から神淵神社へ登れますか」と聞くと、「村のモンはお寺の裏から登っている」と言われた。

《神淵神社へ》

教えてもらった浄水場の路肩に車を置き、やはり葛屋神社の方へ向かった。ご挨拶をして鳥居の横から谷沿いの道に入ると新しい檻が仕掛けてあり、その先で踏み跡はなくなった。踏み跡を探して西向きの尾根に乗り、間違いに気付き引き返した。

浄水場入口 葛屋神社 有害獣捕獲用の檻
       浄水場入口              葛屋神社           有害獣捕獲用の檻

仕方なくお寺のほうに行こうと思ったが、気と取り直して右の谷に入った。一向に尾根に上がる道はなく、ようやく薄い踏み跡を見つけて尾根に上がる。5分も行くと林道に出合い、すぐに5丁の道祖神の石碑があった。

50mほど林道を歩いたが上の斜面に道らしいところが見え、上がってみると古い参道だった。放置されて久しいようで、昭和34年再建の鳥居は倒れて参道をふさいでいた。その先には磨崖文字「御佩郷」があり、参道は林道に下って行った。

道祖神 倒れた鳥居 磨崖文字 御佩郷
        道祖神               倒れた鳥居             磨崖文字 御佩郷

《神淵神社》

まず目を引くのは天然記念物「神淵神社の大スギ」、その横には山車の倉庫があり、拝殿と絵馬堂、お社も立派な造りだ。

大スギ 神淵神社 本殿

お金は持たずに来たので、参拝はするが願掛けは遠慮した。そして、拝殿の左の細道に入る。

《天王山へ》

奥の院らしいものはなく、15分で鞍部に着く。ここには中電の標示板があり、西方向を指差しているが、左折して尾根上を行くとヤブの向こうにテレビ放送の共聴アンテナがあった。

ここから展望は60〜160°くらい開け、眼前にはこれから向かう予定の臼越が見える。だが予定した下山コースはかなりシンドソウなので、この時点でピストンに決めた。

臼越 室兼高屋 大槻山
      臼越(左のコブ)          室兼高屋             大槻山

また、山頂付近にある石と同じ種類の石を、石碑のように立てたものがあったが、四面とも文字は無かった。

 石碑と共聴アンテナ 石碑の側面
          石碑(?)と共聴アンテナ              石碑(?)の側面

《天王洞から七宗林道》

鞍部に戻り、44番鉄塔への巡視路に入る。すぐに鉄塔があり、更に43番鉄塔に向かう。尾根道は快適だが頃合いをみて谷(天王洞)に下った。倒木がやかましく、踏み跡もないがまあまあ歩ける。

右カーブのところで右岸に渡り、下っていくと炭焼き窯の跡があった。と言う事はこの先には滝はなく、有ったとしても巻き道完備となる。左へ右へを繰り返し、その内左岸に道が出てくると七宗林道に出合った。これを上流に向かい500mくらい先で国有林(絵図の尾張藩御留山)の境界に着く。

《臼越へ》

境界は谷を渡り一気に尾根に上がる。その先も尾根の上を直線的に登り、地形図の見た目よりはるかに厳しい登りが続く。時間が押し気味なので勝負が早くて良いが、本当に酸素が薄く感じる。

傾斜の緩い箇所は七宗ならではの岩尾根で気が抜けない。苦行40分でようやく山頂丘の西端に上がり左折して一番高いところを目指す。ココゾと思う所に測量三角点の標示があり、ここを山頂とした。

国有林境界の橋 尾根の取付き 山頂の測量三角点
      国有林境界の橋         尾根の取付き         山頂の測量三角点

《七宗林道を葛屋へ》

下山は標石を追えば良いと思い、余り気に掛けなかったせいか、二度道を外した。この山で道を外すとガケになり、まず林道には下れない。オッカナ・ビックリ急斜面を下り、意外と早く林道に出合えた。

天王洞を過ぎて、少し行くと対岸にかなり広い平らな所がり、これがお聞きした方達が言われた「ウスゴイ」なのだろう。

そして、車で通過する時には、何時も緊張するガケを削ったところを通ると、中ほどに洞があり、何かお祭りしてあるかと思ったが中にはドラム缶が放置してあった。また向こう岸には大きな洞があり、この辺りはなんだか気持ちが悪い。

 七宗林道の岩場 対岸の洞
          七宗林道の岩場                     対岸の洞

集落内に戻ると70歳代の人がみえたので、ウスゴイを聞くと皆さんと同じ事を言われた。

《その他》

絵図のウスゴイは葛谷川と御留山の境界が交わる付近の左岸に書かれていて、ちょうど今回取付いた辺りになる。しかし、葛谷の人は天王洞の合流点より下流と言われ、腑に落ちない。

   ウスゴイ (2009/09/20追加)


注:絵図とは七宗御留山境界絵図を言う



美濃一人山名録09天王山