道の駅賤母から望む伊勢山(山頂部は見えない)
伊勢山 1373.0m 南木曽町 2009年10月28日 地形図「妻籠」 但し美濃国外
【登り】
ゲート7:55−取付き8:40〜8:50−柿其峠9:00
−切開き終点9:15−岩峰下10:05
−引返す11:00
【下り】
引返し地点11:00−休憩場所11:30〜11;50
−林道出合12:45−ゲート13:40
《伊勢山について》
初めて南木曽岳に登った時、木曽川の向こうに岩肌を見せる山があり、地図を見ると伊勢山とあった。
それ以来、何時かは行こうと思っていた。
「続・山旅徹底ガイド」は残雪期の記録。Webでは多治見勤労者山岳会のものしか見付からなかったが、かなりのヤブらしい。
しかし、柿其峠と伊勢山山頂の間は田立国有林と川向国有林の境界になっているので境界標は在るだろうと思って出掛けたが、境界標は峠と切開きの2ヶ所と、休憩場所の岩に刻まれた1ヶ所だけだった。
《夕森田立林道のゲートへ》
19号線から田立の滝の案内に導かれT字路へ。ここを右に入ると夕森田立林道になる。300mでうるう滝があり、ここからは未舗装の林道を3km慎重に走るとゲートに着く。
《登り口へ》
ゲートの位置が分からないので、なかなか現在地がつかめない。その内、田立の滝の遊歩道工事の為のヘリポートがあった。少し先で長谷川林道が分岐したので、これが地図の林道だろうと思った。そしてヘアピンカーブがあり、その3番目で現在位置を確信した。
地図の破線路の辺りに歩道が一つ、50m程先にも歩道の入口があったが、こちらが正解だった。立ち木にテープを巻いて「峠からササヤブ モーレツ」と書いてあった。
柿其峠への取付き 案内標
いつもはヤブ山でもスパッツは着けないが、今日はスパッツを持って来たのでここで着けた。タオルを首に巻き、襟のボタンを留めてヤブ山対応にした。
《山頂に向かって》
峠の石仏
峠から伊勢山の取付き
10分で柿其峠に着く。ありがたい事に食害防止ネットの残骸に沿って切開かれている。何処までも続いて欲しいと願いつつ進むと長谷川と小吹沢の最低鞍部で終わった。
木の間越しに見えたピークは思い切り高かく、ここから標高差130mの急斜面が始まる。
切開きの終点
テープ類はたくさんあるがかなり広範囲に付いていて、適当に登って行くと踏み跡が現れたがすぐに消えた。また適当に登ると踏み跡があり、丸太に横木を打ち付けた橋の残骸があった。
そして左から尾根が上がって来る。倒木を越えてトラバース気味でこの尾根に乗り、ピークに立った。
(帰路の休憩場所であり、境界標が彫られていた)
国有林境界標
小鞍部を過ぎると、大岩が立ちはだかったが直登した。すると又すぐに更に大きな岩の壁にぶつかった。これを左に巻くと10m程下にテープが見えた。と言う事は前の大岩には巻き道があったようだ。
岩の壁
この岩山は地形図では特徴的に描かれているが、こうして現地で直接見るのも面白いものだ。
(上の地図の岩峰のこと)
岩峰(引返し地点付近から見る)
この岩山を巻き、尾根に戻ると踏み跡がある。これ幸いと進んで行くと段々薄くなり、先人が切ったササの跡を頼りに進んで行く。もちろん紙テープも付けて行く。しかし、ついに気力が萎えた。
《引返す》
幾度となく、ここまでにしよう思いながらも、あの稜線までと思い直しここまで来た。しかし、右を見ても左を見ても踏み跡も獣道さえなく、濃密なササヤブを分ける気力もなくなった。絡んだササはスットクを突っ込んでも隙間を作ってくれない。もう限界。
あと少しで稜線
たとえ、あの稜線に乗っても状況が良くなるとはとても思えない。
又来ようなんて全く思わない。残雪期ならばと思っても、林道は長く、好機を捉えるのは難しいそうだ。
振り返ってテープを追おうとしても全く見えない。あれ程注意深く付けてもダメなんだ。回収はあきらめて適当に下ると所々で自分のテープに出合った。
そして第1のピークに戻り、国有林の境界標を見ながらお昼にした。
《事故》
下山開始。
北東方向の尾根から北尾根に向かうトラバース個所で、径が50cmくらいの倒木を乗り越そうとした。
左足を向こう側にやり、右足を持ち上げた時、空が回った。気が付くと谷に頭を向け仰向けにすべり、止まっていた。
起き上がろうとしても起き上がれない。2度・3度、このまま動けないと大変だ。冷静になり、状況を考えるとザックが何かに引っ掛かっているようだ。
ウエストベルトを外し、チェストベルトを外し、ザックを肩から抜いてようやく起き上がれた。ザックを見るとサイドポケットに入れていたナタの柄が木の根っこに引っ掛かっていた。
もし、ここで止まらなければ、ササの上を頭から仰向けに滑り落ちただろう。そう思うと寒気がした。
ちなみに滑った距離はわずか5mほどだったが・・・・
帰宅後、わき腹に痛みを感じる。転倒した時に打ったのだろう。1000mの山で遭難したら恥ずかしい。
これからは気を付けよう。
《点名長谷川》
往路では位置が分からず、見過ごしてしまった三角点を探した。何の事はない、ヘリポートの一番奥に在った。と言う事はここはもともと広場なのだろう。
ヘリポートと点名長谷川
点名矢立(伊勢山)には行けなかったので、今日出合った唯一の三角点。
《感想》
これで伊勢山は、僕には無理という事が分かり納得できた。