イノ洞

1080m峰から見たイノ洞
本峰北1080m峰から見たイノ洞

イノ洞 1108.9m 郡上市(旧和良村) 2006年6月2日 地形図「下呂

            『2006年7月30日に再度登って最短ルートを確認した。』

ルート地図

【登り:P−15分−えん堤−15分−工事現場−20分
      −林道終点−15分−畑佐峠−40分−山頂】

【下り:山頂−20分−尾根分岐−10分−林道出合
   −10分−工事現場−15分−えん堤−15分−P】

《イノ洞について》

初見はやはり「美濃の山(第3巻)」。ヲンボ谷と東洞を分

けるの尾根上の山、点名は「折洞」。

当初の予定ではヲンボ谷のキハタ洞から林道を詰め山頂を目

指すつもりにしていたが、今日はキハタ洞にはかなり数の作

業員が入り伐採作業をしているので東洞から入山する事にし

た。

《東洞林道》

トノ洞を下山後、靴だけを変えて鹿倉の集落に戻った。しか

し、東洞からの入山を予定していたので昨晩印刷した地図に

は東洞林道は終点の手前300mほどしか入っていない。

5万分の1の地形図「下呂」の方は昭和63年修正で東洞林

道は集落から2Kmくらいしか記載されていない。林道を終

点まで歩いて行けば印刷した地図の範囲に入るのだからと、

とりあえず車で行けるところまで行ってみる事にした。

鹿倉のT字路から2.7Kmの所に水道施設があり、そこで舗

装が途切れる。記憶では東洞の最奥の民家から林道の終点まで4Kmくらいだった。最奥の民家

から700mは来たので残り3.3Kmを歩く事になる。歩き始めてすぐに東洞右岸に新しいガ

ードレールが見える。はてな?。そして15分でえん堤があり河原に下りると眼前に車道が見え

る。流れを渡り、上がってみると2車線の立派な道がある。そうだ、地形図に幅員5.5m以上

の道路の表記が500mほどあったのを思い出した。その道がここまで来て、さらに延びている

のだ・・・

  東洞林道が寸断された所  工事箇所からの林道入口
         東洞林道が寸断された所                         工事箇所からの林道入口

車に戻り、車道を走ろうとも思ったが気を取り直して歩く事にした。えん堤から15分で林道

にクサリが掛けてあり、何かの工事現場が見え林道は途切れている。ちょうど12時で作業員た

ちは食事をしているが、「東洞の林道は何所に続いていますか?」と聞くと「分からん」との返

事。よく見ると工事現場の左手に道があり、これが東洞林道だった。今まで歩いて来た道はす

東洞林道終点 でに廃道になっているようだが、ここからはわりと路面状態は良

 く林道の終点までは20分で着いた。

 また、工事現場からは右岸に鹿の防除フェンスが有り、このフェ

 ンスは最終的に畑佐峠からイノ洞山頂、さらに尾根上に続いてい

 た。
     林道終点

《林道終点から畑佐峠へ》

ここで10分ほど休憩して峠に向かう。最初の2−30mは踏み跡らしきものがあったが、

その先は何もない。とにかく登って行くと見たことの無い糞がある。これは熊サンの糞に違い

ないなどと考えながら気持ちの悪い狭い谷を行く事12分で峠に出た。人が往来したことを

示す物は何も無いただの鞍部だ。

《畑佐峠から山頂へ》

フェンスの外側(北側)の植林の中を木につかまりながら登るとコブに出る。ここからは境界

尾根を離れて南向きの尾根を行く事になるがフェンスの外側(西側)は尾根が狭いのでフェンス

の内側に入った。かなりのヤブだが背丈よりは低いので何とか進める。前方を見るとかなり

山頂丘遠くに格好の良いピークがみえた。あれが本峰か、

こんな状態だとあと小一時間は掛かりそうな感じ

がする。一旦下り、登り返そうと前を見るとすご

いヤブになっている。ここで気力が萎えかけた。

しかし、峠から半分は来ているし、戻るにしても

大変だ。と、フェンスの外側を見ると古い植林で

潅木もあまり茂っていない。どうにか1080m

のコブに着くと、何と尾根上は除伐されていて、
                          
間伐もしてある。間伐と言っても切り株は25−30cmはある立派な物だ。

そして、航空測量用の対空標識がある、山頂に到着した。

《山頂にて》

  対空標識  山頂風景
             対空標識                                 山頂風景

さて、ここは間違いなく山頂なのだろうか?三角点がない。フェンスの内外、ササヤブの中、

伐採された丸太の陰、雑木の根元、どこにも標石が無い。そんなバカな、と思いながらあちこち

探し回るがどこにも無い。確か、点の記にはGPS測量と書いてあったが・・・

GPS測量とは標石は不要なのだろうか? そんな馬鹿な・・・

(帰宅後、点の記を確認したが標石はフェンスの西側1mのところにあるとされている。)

あきらめて、展望を楽しむ。植林は背が低く、しかも鹿に食われてしまったのか尾根の上部には

木が育っていない。南北線の東側はすべてが見える。とは言っても霞んでいて、東洞岳・乙洞

くらいしか見えない。本来なら阿寺山地の向こうには御岳が見えるのだろう。

  東洞岳 乙洞
          東洞岳                      乙洞

(帰宅後、「美濃の山」を確認すると91年の記録であり、植林は15年以上も経過している

 事になるが、そのわりには育っていないように思われる。)

下山、林道へ》

  下山した東尾根  東尾根から畑佐峠
           下山した東尾根                             東尾根から畑佐峠

下山は「美濃の山」か「点の記」のルートを下ろうと東の尾根に入ったが、薄い踏み跡は北に

向かわずに東へ下って行く。コンパスで幾度も確認しながら下っていくが、尾根を見失うかと

思うとテラス状の所が見え、それを目指して行く。ササヤブは低く、植林(杉でも桧でもない)

もまばらにしかなく見通しがきくので左程不安は無い。山頂から20分で尾根が分岐している。

所が、印刷して持って来た地図からはみ出しているのか、そんな箇所はどこにも無い。

しかたなく直進に近い方に進む。背丈が5mぐらいの桧の植林に入るとすぐに林道が見えるが

下りられる所が無い。足場の悪い斜面をフェンスに沿って進むとようやく林道に下りられる

箇所があり木につかまり、どうにか林道に下りる事が出来た。

《林道下降点から車道を通り、車へ》

フェンスの扉 林道の下降地点から尾根と林道の合流地点を見るとガケが崩れて

 いて、とても林道に下りる事は出来ないようだ。少し下るとフェ

 ンスに扉があり、ここから尾根の分岐点に行けるのかもしれない

 と思われる。

 

工事中の道路林道に下りてから10分で工事現場に着いた。よく

見ると工事中の斜面は道路と直角に向き合い、もし

かするとトンネルを掘削するのかもしれない。ここ

からは車道をえん堤まで歩き、えん堤の上流で流

れを渡り、東洞林道で車に戻った。




《ルートの確定?》

工事現場から林道を行き、最初のフェンスの扉から入山すれば、尾根の分岐点に出合えると

思う。

ルート拡大図 また、今回下った分岐後のルートでフェンスに出合

 い下ってしまったが、もし左折し登っていれば谷に

 出合い、そこにもフェンスに扉があったかもしれな

 い。とにかくフェンスの扉は林道終点までに2・3

 箇所あったように記憶している。

 いずれにしても、検証の為にもう一度行こう。



美濃一人山名録06イノ洞