拝殿山

小郷から望む拝殿山 
加子母地区小郷から望む拝殿山(人工林と自然林が混じっている)

拝殿山 1402.0m 中津川市加子母地区 2007年1月20日 地形図「加子母

ルート地図【登り】資材置場10:05−林道終点11:00
     −支尾根に合流11:40−主尾根出合12:05
                    −山頂12:15

【下り】山頂12:55−林道出合13:40−(車)−P13:48


《拝殿山について》

私の持っている本で山名が記されているのは、酒井昭市氏の「飛騨の山山[国境編]」だけである。

その中に二ノ谷から登路があるとされているが、「飛騨美濃山語り」さんは深山林道の終点から登られている。

どちらから登るかは行ってから考える事にした。

また山名の由来、歴史的考証は「飛騨美濃山語り」さんのページが参考になります。




《登山口まで》

通行止の標識
乙女渓谷の案内に導かれ小郷へ。乙女渓谷への迂回路のカンバンがあり、とりあえず深山林道の方へ行ってみる事にした。

入口からすぐに路面が凍結しているが滑り止めがまいてあり無事通過。しかし、1Kmくらいの所でスリップして進めなくなってしまった。
仕方なく引返すと軽の4駆とすれ違った。

次に、二の谷口への迂回路に入るがコチラもすぐに進めなくなり、その上に車体が斜めになり道から落ちそうになる。
ニュートラルに入れ自重で車を立て直しどうにか事なきを得たが、緊張した為か腰に違和感がある。

腰痛予防のベルトを締めなおし、気持ちを落ち着けて考えた。「ようし、深山林道を歩こう」。それで、深山林道を500mくらい入った資材置き場のゲートの横に車を置いた。

《深山林道》

さっきすれ違った軽の4駆のワダチは続いている。自分のスリップした所を見るとアイスバーンになっていて、スッタッドレスタイヤは氷には歯が立たないらしい。

10分ほどで林道が分岐しているがどちらが本道か雪のために分からないが右の道の法面はまだ最近削ったようなので左に入った。
折り返しが2回あって、ようやく現在位置が確認できた。

更に進んで行くとさっきの軽の4駆が止まっていて、話をする。「シシが2匹いて、犬を放したら帰ってこない」 「猟ですか」 「否、猟はしてない」。
何所に行くのかと聞かれるので林道の終点から拝殿山に登ると言ったが、拝殿山を知らないようだった。そしてカンバンのある林道終点に着いた。

《拝殿山山頂へ》

保安林整備事業の標識
カンバンの裏から取付く。
右手は若い植林でカンバンの内容から見て間伐をしているらしい。左側は40年生くらいの良く手入れのされた植林が続いている。

地形図で見るより遥かに急な斜面をいろいろな目印を追って登って行くと左側が自然林に変わり、支尾根と合流した。

この間35分とえらく時間が掛かってしまった。この支尾根の上には切開きがあるようで左は植林で右は自然林。

植林が終わると主尾根に出合ったが、この尾根にも幾種類もの目印が付いている。
右折して10分で山頂に着いた。






《山頂にて》

加子母役場の地籍調査の際の写真(このページの最後に掲載)にある山名標が何所にもない。
歩いた時間、尾根の向き、三国山方向にある次のピーク、すべたがここは拝殿山と言っているのに・・・。

東を見ると雑木が切り払われ雪原になっている。行ってみると雪の中に股まで埋まってしまうが、小秀の稜線が全て見え、夫婦滝が二筋の帯で確認できる。
小郷の集落が見え、その向こうには大ナギ・尾城山が俯瞰できる。

一の谷・二の谷・三の谷を望む
            右から一の谷・二の谷・三の谷    二の谷中央付近に夫婦滝が2本の帯になって見える

 大ナギ・尾城山、ふもとは小郷の集落  山名標
        大ナギ・尾城山、ふもとは小郷の集落                        山名標

三角点の保護石らしい石があり辺りを靴先で掘ってみたが標石は見つけられなかった。
仕方なくおにぎりを食べていると板が落ちているのに気が付いた。これが山名標だったので木に掛けてきた。

山頂付近の積雪は30cmくらいで、深い所もあり、私にはツボ足の限界だった。

《下山》

主尾根には北にも南にも目印が続いているが、北は三国山まで、南は舞台峠まであるのだろうか。
支尾根に下る分岐では、このまま下って行きたい気持ちになったが、雪が無くなりヤブが顔を出したら厳しい事になると思い支尾根を下った。

ただ、林道終点の急斜面は敬遠して支尾根を真っ直ぐに下る事にした。この辺りにも目印が有り、国土調査のテープもある。しかもササを2・3年前に刈ったようで多少切開きがあり、こちらの方が歩きやすい。

気が付くとイノシシの足跡に混じって、犬の足跡も付いている。今朝の犬はここまで上がって来ていたのだ。尾根の先端はガケになっていて林道に下りられないので少し左に振って林道に下りた。

《林道で》

あれ、朝の車が止まっていて、おじさんもこちらを見てる。と、犬が足元にまとわり付いてじゃれている。
おじさんにあいさつしに行くと、おじさんはすぐに犬を押さえ、綱をつけた。

11時から2時間半も犬を探していたらしい。しかも首輪には発信機が付けてあり、やはり猟犬仕様だった。以前に美山の大黒山で犬に追われた事を思い出してしまった。

おじさんの話では以前は6匹いたが猟はやめて、今はこの犬だけだそうだ。また、おじさんは飛騨・竹原の方で奥さんは美濃・小郷の人だと言う。
舞台峠が国境とは言え御厩野・小郷は隣村なんだと言う事を実感した。駐車地点

そして、おじさんのジムニーに乗せてもらい資材置場に着いた。

《その他の事共》

山旅の最後の林道歩きはルートの検証(尾根の確認)や気持ちの整理をするのにいい時間なのだが今回は一挙に日常に戻ってしまい少々残念。
しかし、それ以上にいろいろ話を聞く事が出来て大満足だった。

ただ一ツ困った事は今日は着替えのシャツを持って来ていないのに、シャツが乾く前に車に着いてしまった事だった。


《地籍調査の際の写真》

写真の撮影者のナイキ様の許可を得て以下の画像を掲載します。
撮影日は平成16年6月1日との事です。
                                         (2008年2月19日追記)

      
      



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