楢木
保木口から望む楢木
保木口から望む楢木 2009/4/5

楢木 1159.3m 関市板取地区 2007年2月25日 地形図「八幡

ルート地図【登り】P8:10−急斜面を越える8:50
           −P922m9:20−山頂10:05

【下り】山頂10:35−P922m11:05−P12:00

《楢木について》

私の持っている本では「奥美濃とその周辺の山」に載っているのみで、WEBでは「よっこら山歩き」さんのページでしか見た事が無い。

杉原の新宮神社からがメインルートになっているようだが、サンプルが3例なのでよく分からない。 
( 「よっこら山歩き」さんとその記録にある大阪ナンバーの車 ・ 今回私が出会った人 )

《ルートの選定》

神社からだと「よっこら山歩き」さんでも3時間かかってみえる。確かに山頂に立った時の喜びは歩いた時間の2乗に比例するとは思うが、最近腰の具合が良くないので短いルートを探してみた。

P877mから南東はのびる尾根が良さそうに見えるが板取川の向こう岸になるので取付けない。

それではP922mの東の尾根ならば行けそうに見えるが取付きがよく分からない。それではと「点の記」を見てみる。すると、地形図の「滝波谷」の波の字の左から500mくらいの林道が入っていて、その終点からこの尾根に取付いているように見える。よし、これに決めた。

もしダメなら神社の裏手から入山することにしよう。

《島口林道登山口へ》

今月の21日に新幹線の車窓から見た伊吹山は山頂付近と谷にしか雪は無く、越美国境に近いとは言え滝波山の南尾根で雪の心配は無いと思うがワッパとアイゼンを車に積んで出掛けた。

板取スイス村のバス停から島口の集落を抜け島口林道に入る。林道から見える奥山にはそれ程の残雪は無いようだ。

この林道は滝波山の下見にバイクで一度(89・6)、それと滝波山入山の時(99・5)と、今回で3度目になる。

橋から900mくらいの所から林道が入っているはずなのだが見付けられず、1.4Km先の次の林道の入口まで行ってしまった。橋まで戻り林道を探すが「点の記」に記載された林道は無かった。

仕方なく尾根の先端を探すと橋から500m先の水道施設の手前のカーブの所にテープがあり、踏み跡が植林の中に入っていて、その付近に車を置いた。

水道施設 尾根の取付き 登山口
水道施設 尾根の取付き 入口のテープ.「タキナミ官造」の文字

《P922mへ》

植林中にしっかりした作業道が続いている。林業作業者が付けたにしては頻繁に黄色いテープが付いている。作業道は尾根を離れ、トラバースして尾根からだんだん離れて行くので適当な所から直登して尾根に戻った。

少し行くと前面に急斜面が現れる。この付近には木の幹に黄色のビニールテープを巻き、その上に標識番号が書き込んであった。

作業道 標識「標6 H18.4.5」
作業道と黄色いテープ 標識「標6 H18.4.5」とある

右に行っても左に行っても同じ感じの斜面が続いているので、これも直登してクリアーする。高さで5〜60mくらい、四つんばいで登ったが、帰宅後確認すると40°近くの斜面だった。

更に登っていくと右側が切れ落ちた尾根になり、木の間越しに滝波山が望めるようになった。8年前足を引きずりながら登った尾根は残念ながら分からない。

まばらな植林の中を行くとテープがたくさん付いている主尾根に出合った。

滝波山 尾根の出合
滝波山 尾根の出合(私は左から.主尾根は右)

《山頂へ》

合流点からは赤いビニールテープや色あせたヒモもあり、迷わず歩く事が出来る。雪は尾根の東側には残っているが、尾根の上には所々にしか残っていない。雪を踏むと足を取られるにので、なるべく地面の見える所を歩く。

いつの間にか植林は姿を消し、自然林に変わっている。そして2度ほどコブにだまされ、ようやく山頂丘の下に着いた。ここからは何故だかテープの類が無くなるが、雪が多く残っているので足跡を付けて登って行く。

根曲がり桧 尾根道
根曲がり桧 尾根道

そして山頂。

《山頂にて》

三角点の標石は頭を出して歓迎してくれる。木立に遮られているが蕪山の山頂の切開き、その後に高賀山、美濃平家の山頂南のピークの鉄塔・日永岳の反射板が確認できる。

三角点 蕪山と高賀山
三角点 蕪山(手前)と高賀山

そして格落ちしたとは言え何時かは行きたい洞の天井、奥美濃の盟主能郷白山は暖冬とは言え純白に輝いている。

いい雰囲気の山頂、山名は無いが私の美濃200山目にふさわしいヤブ山、山名のない事が逆に似合っている。

《下山》

下山を始めて15分、何と人が登って来る。こんなヤブ山で人に会おうとは、お互いに驚いた。その方の後からは奥さんも登って来られた。

その方たちは神社から登られたらしく「車は無かったのに」と言われ、地図を見せてルートを説明すると「新しいテープが途中から上がって来た所ですね」言われた。

そして下っていき分岐点。分岐点を上から見ると私の登ってきた尾根の方が主尾根に見える。どうりでテープの類が一杯付けてあるはずだ。

急斜面をシリモチをつきながら下り、作業道に出合った。確認の為、作業道を進んでみたが多少登っているものの尾根状の箇所は無く、何所から登っても植林の中の急斜面は避けられないようだ。

《帰宅後》

作業道の先は、橋から1.4Kmの所から入っている林道の終点に続いているのかもしれないと思う。あと少し先に進んでいれば結論が出せたと思うと残念だ。

余談になるが、滝波谷の奥の白木峠では10年ほど前に登山者(?)の遺体が発見され、海ノ溝谷では数年前に落石事故が起きている。美濃の山と言えどもあなどる事は出来ない。



美濃一人山名録07楢木