大洞(点名)

点名・大洞(板取川右岸) 1088.6m 関市板取地区 2007年4月29日 地形図「美濃

【登り】 P8:15−尾根に上がる8:45−植林終わる9:30−若い植林10:05
                                 −J・P10:40−山頂12:05

【下り】 山頂12:10−おにぎり岩12:35〜12:55−J・P13:45?−P15:00

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《大洞について》

「美濃の山 第2巻」に柿野川西洞谷からの記録が記載されている。

ある日、何時ものようにボーと地形図を見ていると松谷洞右岸の尾根上のルートが見えて来た。そう言えば、何かの本にこの尾根を通り三尾山への記録が有ったのを思い出した。

それは「山旅徹底ガイド」の三尾山の項だった。往復5時間とあるので大洞までは2時間位と言う事になるが4Kmもの道中にしては早過ぎるような気がした。

《松谷洞について》

「続ぎふ百山」サンノーの高の記載を参考に、93年6月27日に地形図の渡渉点まで(90分)、同年9月11日には地形図の破線の最後の所にある植林小屋跡まで行っている(2時間30分)。

14年まえですら釜ヶ峠から先の桟道は腐り落ちていて、高巻いて通過した。
あわよくば今回、大洞の帰路は北に延びる尾根を通り、小屋跡に出合、オオクゴの滝を見て帰ろうかとも考えたが釜ヶ峠の道が抜けていたらと思うと、とても危険で不採用にした。

《いざ!大洞へ》

小瀬見・老洞・生老、そして松谷。集落の一番奥に水道施設があり車を置く。
仕度をしているとおばあさんが河原に下りていかれた。柵のある車道はすぐに終点。左岸には水路が通っていてコンクリートの道が続いている。

水道施設 橋 山神様
水道施設 松谷洞に架かる橋 山神様

見覚えのある橋を渡ると踏み跡は左右にあり、とりあえず右に行って見たがすぐに行き止まった。もとに戻り道を探しているとさっきのおばあさんがサカキを採ってみえたので道を尋ねた。

「この上の尾根に上がりたいのですが」「ならこの奥に山神様があって、男衆はその辺りから上がっているようだ」との事。
また谷沿いの道は今歩けるかと聞いてみると、「倒木やなんかで、行けなんだちゅう話だ」との事。

さればと、山神様にまずはごあいさつをし、辺りを探してみるが踏み跡は無い。沢の辺りから木につかまり尾根の上へ。どうにか踏み跡らしい物はある。全く手入れのされていない荒れた植林の中は照葉樹の潅木が茂り、道を全て塞いでいる所も有り遅々として進まない。

尾根が合流する辺りまで来るとどうにか歩けるようになる。更に行くと良く手入れのされた杉の植林になる。林床は落ち葉が積もり歩きやすい。ピンクのテープがあると、その先は近年間伐されたようだ。

杉の植林 植林が終わり、2次林へ
植林の中、この先は最近間伐されている 植林が終わり、ここから二次林になる

この植林が終わると、そこからは落葉樹が主体の森になる。この辺りから赤のビニールテープが現れる。

しばらくすると若い植林帯の上部に出る。葛レ谷右俣から支谷1つを植林したようだ。食害防止のネットは倒れているが食害を受けることなく3・4年は経っているようだ。

タカネの向こうに高賀山 アナノコ
タカネの向こうに高賀山 アナノコ

ここからは当然展望が開け左に高賀山、正面にはアナノコ、そして本峰が遥か遠くに望める。すでに2時間近く掛かっている。先を急がねば。

大洞

若い植林を過ぎ、振り返るとペイントマークが施してある。これはありがたい。その内にかなり年月の経ったビニールヒモも目に付くようになった。尾根の上にはコウヤマキ・モミノキ・桧の大木が現れ、落葉樹の疎林はなんの障害も無く気持ち良く歩く事が出来る。

そして、本日のルート上で初めて位置が確認できる右カーブの場所(少し大仰だが、ジャンクションピークとしよう)に着いた。この先に左程の登りは無くあと1時間少々だと予想した。

大きな枯れ株に驚き、根上りの桧の大木に見とれ快調に跳ばして行く。右手にはとんがり帽子の三尾山が見え、ビニールテープ氏は間隔が広いが、ビニールヒモ氏は頻繁に付けてある。ただどちらもかなり以前の物のようだ。ペイントマークは感心に要領良く付けてある。

大きな枯れ株 三尾山
大きな枯れ株 三尾山

そんな事思いながら・・・、ササが出て来た。でも気にする程でもない・・・、やや?ササヤブの中に全く踏み跡がない。テープ氏のヒモ氏もここから先はマークを付けなかったのか。ペイントマークも見えない。

ササヤブの急斜面 最後から2番目のペイントマーク
ササヤブの登り斜面 最後から2つ目のペイントマーク

コンパスを確認し目印を付け、木々の姿を目に焼き付ける。斜面を登りきると木曽三川公社のクイがあり、赤いクイもある。しかしカメラを出す余裕もなく、方角を見る。地図の上で明らかに左折しているのに気付いていない。

少し行っては戻り目印を付け、また少し進む。前方に丘が見える。気力が萎える。今来た向きと丘の向きを確認すると直線上にある。ヨーシあそこまで行こう。ヤブをこぐ。

ひょと見ると三角点。昭和61年埋標の新しい標石が出迎えてくれた。普段ならばここで昼食とするが今日は記憶が鮮明な内にヤブを抜けようと写真を撮り5分で山頂を離れる。
ただ、南にはテープが続いていた。やはりメインルートは西洞谷からのようだ。

標石 三角点の標識
標石 三角点の標識

《下山》

木曽三川公社のクイで右折するが、この尾根を直進すれば植林小屋跡に出合えるのだろう。
自分の付けたテープを探し、方角を確認し激ヤブを下り、少し登り返したおにぎり形の岩の前で昼食とした。ここからは三尾山が見え、小屋跡に続く尾根が見える。

おにぎり岩 小屋跡に続く尾根
おにぎり岩 小屋跡に下る尾根

今日は水分を1.5L持って来たが残りは400cc、かなり飲み過ぎたようだ。
それに、ヤブでサインペンを落とし、その上予備の鉛筆までなくしてしまったので帰路の記録が出来なくなってしまった。仕方なく時間の記録はカメラにまかせ、コースの記録は頭にお願いしたが、さてさて。

最後の照葉樹の潅木のヤブに入る手前で踏み跡が分岐していたがこれを右に行けばこの尾根の先端の車道の辺りに出るのかもしれない。この踏み跡を行こうとも思ったが集落の中を戻るのが煩わしく、ヤブの中に入った。

今朝登った沢の上に来ると左手に踏み跡があり、山神様の岩の手前から植林の中に下って行った。この踏み跡は橋と山神様の間に下りた。お礼の参拝を済ませ、松谷洞の水で顔を洗い、帰路についた。

《その他の事共》

帰宅後、回収したテープを数えると35本。用意したのは16本が3組で48本、未使用が5本で残り8本は落としたか、未回収と言うことになる。
ペンに鉛筆、それとテープ。たくさんゴミを残してしまった。

また、今回は4Kmのコースを本に誘導され2時間と読み誤った。病み上がりで体力が落ちていたのに少々キツイ山歩きになってしまった。



美濃一人山名録07大洞