明宝気良から望む気良烏帽子
烏帽子岳 1625.3m 気良烏帽子 1595m
郡上市明宝地区 2007年10月6日 地形図「萩原」
【ロスタイム】 P8:02−引き返す8:19−P8:33
【登り】
ゲート8:45−西俣林道起点9:05−1つ目の分岐9:15−2つ目の分岐9:40
−4つ目の分岐10:10−切開き10:15−林道を引き返す10:35−登り口10:55
−尾根出合11:35ー気良烏帽子11:40−烏帽子岳12:05 登りは実質2時間40分
【下り】
烏帽子岳12:30−林道出合13:10−ゲート14:45
《旧明宝村、三つの烏帽子》
郡上市明宝地区には烏帽子岳・気良烏帽子・母袋烏帽子の三座がある。気良烏帽子以外は何所から見ても烏帽子のような特徴のある山容ではない。
前2山を明宝スキー場から、母袋烏帽子はインチキをして大洞峠から登り、1日で三山を巡る計画で出掛けた。所がとんでもないミスをしてしまった。 (訂正07/10/14:大洞峠から切開きは無い)
なお、「美濃の山」では気良烏帽子の位置を旧明宝村と旧荘川村の境界が鋭角に曲がる所としているが、やはり気良(けら)の集落から望む事が出来る標高点1595mの地点を気良烏帽子とした。
《忘れ物》
朝、美濃市のコンビニで食料を買い、助手席に置いた。・・・・・アレッ、いつもはシートの上に置いておく地図が無い。
地形図一式忘れた。ここから取りに帰る事は出来ない。
この山の地図は、4・5日前から頻繁に眺めていたので記憶に残っている。しかし、完璧ではない。
エイ、西俣林道に入れば分岐は3ヶ所。(本当は4ヶ所だった)尾根の取付きは大きい左カーブのすぐ先。どうにかなるだろうと車を走らせた。
《再び、絶高について》
郡上市八幡町有穂の信号付近に車を停め、絶高の写真を撮っていると民家の庭先におじさんがみえたので「あの山に名前は有りますか」と聞くと 「・・・」。
「絶高と言いませんか」と言うと「そうそう絶高」。「ボンテンとは呼ばないですか」と聞くと「そうは呼ばんな」。
おじさん : むかし、神様が絶高と大洞(大洞山のことか)に橋を架け、その時の土台にした岩が山頂に
残っている。
僕 : 両方とも登ってますがそんな大岩あったかなー。今日は烏帽子に登りますが気良烏帽子と烏帽子岳
の間の尾根に道は有りますか。
おじさん : あるよ。気良烏帽子は気良から見るととんがっているけど、イエボシはよう分からんな。
僕 : イエボシ、烏帽子岳の事ですか。
おじさん : そう。
地元、少なくともこの方はエボシではなく、イエボシと訛って呼ぶようだ。
また、道の駅・明宝から望む絶高はよりすっきりと見える。
《めいほうスキー場からアプローチミス》
スキー場駐車場の料金ゲートから真っ直ぐ走り橋を渡り、林道に入った。もう1つ橋を渡ると地道になり
そこに車を置いた。
歩き始めるが朝日に向かっている。その内に大きく回りこみ西に向かうのだろうと進んで行くとリフトの
上部駅が後方になり、どう考えても間違っていると判断して車に戻った。
その間30分、地図が無いのは辛い。
駐車場に戻りあちこち探すがそれらしい車道が無い。トラサクが開いていたのでゲレンデに入るとようやく「きずなの森」ゲートがあり、ゲート前の広場の工事用車両の間に車を置かせてもらった。
間違って入った林道から望む点名・花房天望台(手前)と烏帽子岳 きずなの森のゲート
《水沢上(みぞれ)林道から西俣林道、そして登山口》
三井農林の現場事務所(きずなの森管理棟)の前を通り、よく手入れされたカラマツの植林の中を行く。
カンバンによると僕と同じ歳だ。そして分岐。右の道は荒れているので左へ。
次の分岐には西俣林道起点の標識がある。ここは当然左に入る。すぐに洗越があり、かなりの水量があった。
地図が無いかなしさ、本当にこの道が西俣林道か不安になる頃、次の分岐が現れた。そこには杉の幹に←マルト ・ →エボシの文字があり、ようやく西俣林道を歩いていると確信できた。
西俣林道起点 「⇒エボシ」の分岐
更に分岐、これも右。次の分岐、右の林道には平成19年工事の標識あり新しいので左へ。
記憶をたどると次の分岐は左カーブのテッペンにあり、それを左に行くと300mほどで終点になるはず。その終点から戻れば登り口があるはず。
所が直線部分に分岐があり、右の林道は明らかに手入れされていない(最終的に確認すると、この分岐は記憶に残っていなかった)。すぐに分岐があるが左の林道は50mくらいで終点、そこから切開きがある。
少し入ってみるが位置関係に自信が持てず、分岐に戻り右の道を歩き出す。林道は下りだし高い山があちこちにある。ちょうどサワラの状態、更に悪い事に今日は地図が無い。
どれが山頂か
林道の向きが130°になり、なおも下り続けて行く。明らかにおかしい、スキー場に戻ってしまう。
「もう良い、また来よう」と引き返す事を決めた。しかし・・・・・、もう一度、さっきの切開きに入ってみよう。
30分を限度に尾根に出合わなければ撤退と決めた。
《尾根出合、両烏帽子山頂へ》
林道終点 登り口付近
両側のクマザサが刈られ、最近手入れされている。この先にあるのは山頂しかないとは思うが、
方位230°では記憶とは違う。15分も登ると300°になり、良い感じ。
約束の30分、左手に尾根が見えてくる、向きもいい。尾根に出合うと気良烏帽子・烏帽子岳の標識があり、もう何も迷う事はない。(支尾根の先端部が曲がっているという記憶は無かった) まずは気良烏帽子へ。
尾根出合 気良烏帽子への道
気良烏帽子への切開きはまだ新しく、境界標識にはコケがのっている。
《気良烏帽子山頂》
境界尾根が曲がるピークを越えて山頂に着く。西方向には尾根が連なり、その最高点は鷲ヶ岳。その右には別山から白山。
南に目を転ずれば気良の集落、その向こうには累々と山並み。お馴染みの山もあるのだろうが地図がなければただの山でしかない。見飽きる事はないが烏帽子岳に向かう。
鷲ヶ岳と白山 気良の集落
《烏帽子岳山頂》
尾根の出合から先はかなり踏まれた道が続いている。正午に合わせて三角点を踏む。
山頂の西側のクマザサは刈られていて、その半分は今年刈られている。その切開きのお陰で北アルプスの峰々が望まれるが僕にはなじみの薄い山並みだ。
山頂風景 遠望
《下山》
登りでは気付かなかったが、境界尾根はブナの並木道になっていて、支尾根の上部にはダケカンバが多く見られた。
そしてこの支尾根の位置を特定する為に方位の変化と標高を記録する。あとは林道をひたすら歩き、車に戻った。
《自宅にて》
帰宅後、すぐに地図に時間をプロットしていく。朝、間違って入った林道で引き返した地点は点名・三井山まであと少しのところだった。
また、登山口が分からず引き返した地点はすでに水沢上林道に入っていた。
予定では西俣林道から水沢上林道へ出て周回する予定だったので、その一部は実行していた事になる。
更に両林道の分岐点の西にある三角点は「花房天望台」ということを知った。不思議な点名、見てみたい気持ちになったが、もう二度と行く事は無いだろう。
それともう一つ、杉の幹に書かれていた「マルト」とは何だろう。
《雑感》
1人歩きの相棒は地図とコンパスだと実感した。
これからは持ち物の確認を車に積み終わったあとにも再度する事にしよう。
《後記》
郡上市明宝のホームページ(http://www.gujomeiho.jp/report/report_2007.html)で、今年の9月22日に登山道の整備がされた事を知りました。10月14日に「烏帽子岳トレッキング」があり、僕は偶然10月6日に歩いたので幸運にもこの切開きの恩恵を受けました。この切開きの作業された方と切開きに感謝します。